自動車運転死傷行為処罰法の改正

前回、あおり運転の法改正での罰則などについて書かせていただきました。
本日は自動車運転死傷行為処罰法の改正について書きたいと思います。
この改正は2020年7月2日の今日から、施行となります。

近年ドライブレコーダーの普及で、テレビやネットでもあおり行為のドレイブレコーダー映像を目にすることがあると思います。
その中で後ろからのあおりに加え、前にでて急停車などする妨害行為も目にします。
今回の今回の自動車運転死傷行為処罰法の改正では、「危険運転致死傷罪」の構成要件が拡大され、
走行中の車の前で止まる等の妨害運転行為が「危険運転致死傷罪」に含まれるようになります。
この改正により、妨害運転をする車の速度には関係なく、交通の危険が生じる危険のある速度で走行している他車の前で停止したり、
高速道路などで急接近して徐行・停止させる行為をして死傷事故に結びついた場合は危険運転の適用が可能になります。

【自動車運転死傷行為処罰法第2条 第5号・第6号】
5 車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為

6 高速道路において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう)をさせる行為

【改正前と改正後の変更点】
◆罰則
[改正前]
交通事故の原因にあおり行為があっても、過失運転致死傷罪が適用された場合

〇罰則
7年以下の懲役・禁固、
または100万円以下の罰金

[改正後]
妨害目的で、重大な危険が生じる速度で走行中の他車の前で停止、高速道路での前方停止、急接近などの行為は、危険運転致死傷罪に該当。

〇罰則
 傷害事故  15年以下の懲役
 死亡事故  1年以上の有期懲役
 ※有期懲役とは最大20年の懲役をさす。

◆違反点数
[改正前]
一般の違反行為(急ブレーキ違反や安全運転義務違反等)での人身事故とされた場合は、交通事故の付加点数は以下のようになる。

 死亡事故     20点
 全治3か月重傷  13点
 3か月未満の怪我 9点
 30日未満の怪我  6点
 15日未満の怪我  3点
[改正後]
 交通事故に危険運転致死傷罪が適用された場合は、一般の違反行為ではなく特定違反行為とされて事故の付加点数は非常に厳しくなる(カッコ内は免許取消の欠格期間/前歴なしの場合)

 危険運転致死    62点(8年)
 全治3か月重傷   55点(7年)
 3か月未満の怪我  51点(6年)
 30日未満の怪我   48点(5年)
 15日未満の怪我   45点(5年)

【自転車は車両です】
以前ご紹介しましたが、今回の道路交通法改正では、妨害運転は「車両等の違反」として位置づけられていますので、自転車で他の車の通行を妨害する意図で違反をした場合も罰則の対象となります。
また道路交通法改正に伴い道路交通法施行令が改正され、自転車のあおり運転についても新たに安全講習の対象となっています。

その他今回の法改正について、法務省のページにて掲載されておりますので、お時間のあるときに見ておくとよいと思います。
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00015.html

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